麻痺が残ることも! エンテロウイルスD68感染症がジワジワと流行か!?
原因不明のまひの症状が出る
国立感染症研究所は、国内で2015年8月以降、子供が原因不明の麻痺の症状が出ると相次いで報告され、同様の症例がないか全国調査を開始したそうです。
患者の一部からは「エンテロウイルスD68型」というウイルスが検出され、関連を調べているようです。
【リンク】一般の方向け:エンテロウイルスD68(EV-D68)感染症に関する Q&A / 国立感染症研究所感染症疫学センター (pdfファイル)
エンテロウイルスD68型とは
エンテロウイルスD68型はエンテロウイルス属のウイルスの一つです。
エンテロウイルス属には、ポリオウイルスや、手足口病の原因となりうるエンテロウイルス71型などが含まれます。
平たく言うと、手足口病やヘルパンギーナなどの夏カゼ様の感染症を引き起こすのウイルスの仲間です。
日本国内では2005年以降、毎年数例~百数十例報告されているようです。
アメリカでは2014年に大流行し、1153人が感染し、このうち14人が死亡したと報告されています。
エンテロウイルスD68感染症の症状は
エンテロウイルスD68型に感染し発症した場合、軽症から重症までかなりの症状の差異があるようです。
軽症の場合、発熱やくしゃみ、鼻水などの症状で済むようです。
重症化すると、気管支炎や肺炎、呼吸困難に至ります。
さらに悪化すると筋肉が虚弱化し、脳神経機能に異常をきたす場合もあり、麻痺が残るケースもあるようです。
この、麻痺症状(弛緩性麻痺)については、患者の上気道からエンテロウイルスD68型が検出された事例が欧米や日本などから報告されており、ウイルスと症状との関連性を現在詳しく調査中とのことです。
また、乳幼児や子供(12歳くらいまで)が発症や重症化しやすく、大人では症状が無かったり、軽傷で済む場合が多いようです。
エンテロウイルスD68感染症の予防法は
エンテロウイルスD68感染症にかかった人のせきやくしゃみ、つばなどのしぶきによって感染します。
また、排出されたウイルスが手などを介し、口に入ることによって感染することもあります。
残念ながら、今のところエンテロウイルスD68感染症には予防接種はありません。
うがい、手洗いの徹底が基本です。
おわりに
エンテロウイルスD68感染症の流行期は夏~秋です。
インフルエンザや風邪等の流行期ではありませんが、うがい手洗いの徹底はした方がよさそうですね。