何と!?日本脳炎ウイルスに感染した豚がたくさん!それでも予防接種迷いますか?
何と!?多くの豚が日本脳炎ウイルスに感染している!!
国立感染症研究所のホームページに、日本脳炎ウイルスにどのくらいのブタが感染しているかの調査結果が掲載されています。
国立感染症研究所 ブタの日本脳炎抗体保有状況 -2015年速報第5報-
このページの調査報告によると、日本脳炎ウイルスに感染しているブタが中部地方以西にたくさんいることがわかります。
そして、この調査報告では、日本脳炎ウイルスの感染に対する注意を喚起しています。
日本脳炎とは
そもそも、日本脳炎とはどんな病気でしたっけ?
多くの方が予防接種のパンフレット等で触れたことがあると思いますが、もう一度おさらいです。
日本脳炎ウイルスを持ったブタを蚊が刺し、その後その蚊がヒトを刺すと日本脳炎ウイルスに感染します。
7~10日の潜伏期間があり、高熱、頭痛、意識障害、けいれんなどの症状が現れます。
感染した人のうち100~1000人に1人が、脳炎を発症します。
この場合の死亡率は約20~40%です。
一命を取り留めても、神経の後遺症が残る人が多いようです。
また、髄膜炎や夏風邪のような症状で終わる人もいます。
日本では、毎年数人~10人程度の感染報告があります。
予防接種が怖い!?
日本脳炎の予防接種は、以前、マウスの脳からつくられたワクチンでした。
マウス脳由来のワクチン接種後に重い病気になった事例があったことがきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、積極的な接種勧奨が差し控えられていました。
しかし、平成21年に新ワクチン(マウス脳の代わりにVero細胞というものを使ったもの)が発売されました。
これにより再び積極的な接種勧奨がされるようになりました。
ネットで日本脳炎予防接種の副作用情報を見て不安になっているパパママは、そのワクチンが旧ワクチンなのか新ワクチンなのかも確かめましょうね。
しかし、平成24年に2件の日本脳炎予防接種後の死亡例があります。
厚生労働省 日本脳炎の予防接種死亡例について(PDF)
上記の厚生労働省の報告を読むと分かりますが、どちらのお子さんも重篤な基礎疾患(重い持病)があり服薬していたため、必ずしも日本脳炎の予防接種が死亡原因ではないだろうということです。
また、健常な子どもの予防接種による死亡例は無さそうです。
予防接種の副作用より、予防接種を受けずに日本脳炎にかかってしまうことの方が確率が高い上に、怖いと思います。
勧奨が差し控えられていて接種しなかったお子さんはどうなるの?
平成17年度から平成21年度まで、積極的な接種勧奨が差し控えられていた期間に予防接種ができなかったお子さんに対して、特例措置が適用され、無料で接種できます。
市町村により若干の違いがあるようですが、おおむね下記のお子さんが対象です。
- 平成7年4月2日生まれ~平成19年4月1日生まれの方
- 1期で1回も受けていない人
- 1期で1回だけ受けた人
- 1期で2回受けた人
各市町村の予防接種関連のホームページに掲載されていると思いますので、そちらもチェックしてみてください。
予防のためには
日本脳炎の予防、究極的には、ブタが日本脳炎ウイルスに感染しなくなること、蚊にさされないこと、ですが、現実的に無理ですよね。
積極的な接種勧奨が差し控えられていた期間に予防接種を見送ったお子さんをもつお母さんもこの機会に接種を検討されてみてはいかがでしょう?
ちなみに
日本脳炎ウイルスに感染したブタを食べても、感染はしないようですよ。